私は多分、同じ質問や、同じ様な質問を同じ患者さんに来院する度に、お尋ねしているものと思います。患者さんによっては、「いつもこの質問するよね。」とか、「前に言ったこと忘れているのかな?」と、不思議に思う方もいらっしゃるかも知れません。でも、これには違った意味合いがあります。
実はこれ、毎回確認のために行う重要な診察法なんです。例えば、当院は「坐骨神経痛」の治療を得意としておりますが、「坐骨神経痛」の場合、基本的に痛みが出たり、痺れたりするのは「坐骨神経」のライン上(流域)に出る訳です。ただ、この「坐骨神経」と言うものは、本当に太いんです。お尻の辺りから「ニンジン」が出ているような感じです。幅や深さもありますので、患者さんは同じ場所と思いがちですが、意外と少しずれた場所(位置)に患部があったと言う事が意外と多いものなんです。
そして、「神経痛」独特の症状である、日によって違う所が痛むと言った症状にも、毎回触診した記録をカルテに書き込んでおけば、その患者さんの「神経痛」による痛みの正当性をはっきりさせる事が出来ます。「神経痛」と言いますものは実に微妙なものですので、毎回カルテに着けておかないと大きなミスにつながってしまうものです。患者さんは「同じ所。」と言われますが、実際は2cm 3cm違うだけでも、意図した筋肉とは全く異なる神経だったり、筋肉だったりする訳ですから毎回の治療を確実にするためにも、触診による確認が絶対的に必要になる訳です。
