レアケース

 週末は土日と非常に蒸し暑い中の🎾テニスとなり、かなり消耗した私です。通常の月曜日ですと、かなりリフレッシュした状態で、週明けの診療に入って行く訳ですが、今日は お恥ずかしながら少しバテバテの状態で月曜日の診療に臨む事となりました。

 そんな中、午前中いの一番に来院された初診の患者さんは、どう見ても「坐骨神経痛」の患者さん。一年前から辛いとの事で話を聞けば聞く程「坐骨神経痛」以外の要素が無く、頭から「坐骨神経痛」と思い込んでいたのですが、「触診」を続けているうちに少なからぬ違和感があり、よくよく話を聞いてみると 岩場で渓流釣りをしていて激しく転倒してしまった時からかなりおかしい。他の院での診断でも「坐骨神経痛」と言われたの事で、私も「坐骨神経痛」と思い込んでいました。

 結論から申し上げますと、これは「外転筋」の肉離れで間違いないようです。「肉離れ」は分からないまま放置されていると(処置を受けないでいると)治ったような治らないような分かりにくい状態になります。ふくらはぎや大腿部の様な「肉離れ」の好発部位では見逃す事の少ないこの「肉離れ」ですが、めったに起きない部位では見逃されることが非常に多くこの患者さんのように「神経痛」のような慢性疾患として処置される事は珍しくありません。受診先の先生が分からくても「仕方ない」レベルの実にレアな症例でした。

PS 上記のように「肉離れ」の見逃しによるもので痛みが取れずに当院に来院される患者さんは毎年かなりの数になります。中には5年以上前に受傷しているのに整形外科の先生も分からず、長い事リハビリしていた方が人の紹介で私どもの院に来院され3日で良くなったと言う事例もあります。「肉離れ」と言うものは最終的に指先の感覚で発見したり治療したりするものですので、一種の特殊技能と言ったものとなります。