私も、この道長くなりました。言われるのは決して嬉しい事ではありませんが、「ベテラン」と言われる部類に入って来ています。私が開業したのは昭和63年(1988)ですから、あと3年で、OPEN40と言う事になりますね。
長い事この仕事を続けていますと、昔と変わって来ているものも少なくありません。今日は特に「腰痛」について書いてみたいと思います。
「腰痛なんて古来よりあるものだし、様々な症例があるのも分かるけど、今と昔じゃ違うものなの?」と言う意見を良く聞きますね。私がこの世界に入った頃の腰痛は左右の起立筋を中心とした「筋肉性」の腰痛が中心だった感じがしています。そしてここ10年程度は腸骨の骨膜炎や、仙腸関節炎、L5~S1間の炎症が本当に多くなった感じがしています。つまり「骨性」のものと言ってもいいと思いますね。これは同じ腰痛でも全くジャンルの異なるものです。
昔のものは「筋肉性」のものですので、マッサージや湿布だけでも、それなりに良くなる要素がありました。しかし最近の腰痛の主流である、腸骨の骨膜炎や、仙腸関節炎では、マッサージや湿布と言ったものだけでは良くなることを期待するのは不可能です。そこで、少し特殊な機器や手技を使わなければなりません。一般的に「腰痛」と一括りにしてしまっても、ものにより施術方法は全くと言って良いほど異なります。以前は「マッサージや湿布」で治ったことのある方でも、現在はその方法では治らない可能性も少なくありません。
これだけ科学が発達した現代でも、未だに「腰痛」とは共存して行かなければならないのでしょうか? 私は、「否」だと思います。確かに一般的な治療は今も昔もあまり変わり映えはしていない感じはします。しかし、「筋肉性」のもの「骨性」のものどちらにでも対応できる先生方がいる事も事実です。一部の有志達は使用法の非常に難しい機器を使いこなし、加えて最新の手技を駆使し、この難しい「腰痛」の施術にあたっています。そして、私もその中の一人であると自負しており、日々の施術に精進しております。
