芸は身を助く

 長い事この仕事をしていますと実に様々な患者さんが私どもの院を訪れてくれます。最近では取り敢えず弱毒化され第五類になったことでコロナ禍から解放される形となったスポーツ系のお子さん方が再び私どもの院に来院されるようになったり、暫く受診を控えていた方々が「そろそろ来てみました。」とばかり来院される方も多くなり、以前の中山接骨院の形に戻って来ている感じがします。

 このコロナの4年間かなり長かったと思います。この時期私どももかなり厳しい運営を迫られたのですが、何とか持ちこたえる事が出来ました。この時期一番よく来てくれた症例の一つが「坐骨神経痛」や「肋間神経痛」でした。詰まり「神経痛」なんですが、私が開業した時分は「神経痛」などと言った分野は全くやっておらず、当時の私は「神経痛なんて治らなくて当たり前。治せる人なんているのかな?」と言った認識でおりました。

 実際の所 現在でも「神経痛は治らない。」と公言している先生は非常に多く「少しでも楽にしてあげる事が出来たら名医だよ。」と呟く先生の言も分からなくもありません。でも、本当に「神経痛」とくに「坐骨神経痛」は治す事は出来ないのでしょうか? 答えは「否」だと思います。通常の機器を用いて、通常の施術を行っていては何年やっても効果は見込めないものと思います。私も、何とか出来ないかと手持ちの機器でかなりトライアンドエラーを繰り返しましたが、基本的には満足のいく効果はありませんでした。

 ほぼ諦めかけていた時、知り合いからとある機器を勧められたのですが、メーカー側は「坐骨神経痛には不向き、筋肉用の機器です。」と言った回答でした。でも、私は筋肉も神経も基本的には同じたんぱく質で構成されているのなら筋肉には効果があって神経には効果が無いと言った言い回しは合点がいきませんでした。

 取り敢えずデモ機を借り再びトライ&エラーを始める事となります。最初はメーカーに言われるままのやり方でやっていましたが、これでは埒が明かなかったので、自分なりのやり方でやってみると、私の予想以上に硬化した神経が緩んで行き、「神経痛」の症状に大きな変化が起きました。それからです、わたしが「神経痛」を治せるようになったのは…。これが約10年前の事です。それからと言うもの基本的に神経痛は治せるようになりました。

 私の施術方法は基本的にオリジナルですが、この「坐骨神経痛」を含む「神経痛」の施術方法も私のオリジナルです。時折「東京で、この施術受けられますか?」という質問を受ける事もありますが、「これは私のオリジナルなので他の院ではやってないと思いますよ。」としかお答えできませんが、そういう訳ですのでその際はお許しください。