現代の「膝関節痛」

 多くの方々は「膝」は使いすぎたり、老化(加齢)により変形する事で、初めて痛みが出て来るものとお考えてらっしゃるようです。私どもも以前はそのように考えていたのですが、現実はかなり違います。

 昔に比べ(だいたい30年程度前)は、確かに明らかな膝関節の変形が見られる患者さんが多いものでした。ある程度以上の変形があった場合、確かに、それだけでも痛みは感じるものです。ですが、この頃では70歳以上の患者さんでも意外と変形のない、またはレントゲンを撮っても変形があると言うより精々 変形の疑いと言った「誤差」レベルの患者さんが多いですね。

 「整形外科に行ったんだけどレントゲンを撮ったら変形してるって言われました。」と言われる患者さん非常に多いです。実際、私の院にレントゲンをやMRIの映像を持参される方も最近は多くいらっしゃいますが、70~80歳で1~2mm程度のものなら、確かに変形と言われれば変形ではありますが、変形とは言い難いと言えばそうなると思いますね。腰椎や膝関節はどんなに健全な方でも、本当に少しづつではありますが、どうしても減って行く事は避けられません。ただ、現代では体にご負担を掛ける職業が昔に比べかなり減っていますし、移動も電車や車を使う事を考えれば腰や膝には昔の様な負担少なくなっているものと考える事が妥当なものと思われます。

 では、何で膝が痛くなるのか?疑問に思う方も多いものと思います。お答えします、それは筋肉のせいです。具体的に言いますと膝の上方にあります「大腿四頭筋」と言う事になると思います。年齢を重ねますと、どうしても筋肉は弱く(細く)なってしまいます。仮に多少のトレーニングでは補う事は出来ないものです。「大腿四頭筋」は「膝関節」のアブソーバー(衝撃吸収装置)の役割も果たしますので、「膝関節」の保全に直結します。

 「膝関節」と「大腿四頭筋」の因果関係は本気で書きますとかなり膨大な量になってしまいますのでここでは割愛させていただきますが、現代に於ける「膝関節痛」は大腿四頭筋の筋力低下に由来するものが多いものです。基本的にはこの「大腿四頭筋」を上手く調整する事が出来れば意外と簡単に「膝関節痛」から卒業する事が出来ると思います。

 「膝関節痛」は一度なってしまったら治らないものと諦めてしまっている方が多いものです。しかし、やり方によっては意外と短い期間で回復させることは可能なんです。