「すべり症」「分離症」について一言

 スポーツをしている中学生で「腰」が痛い、と言うと、先ずは整形外科を受診するものと思います、そこで「腰椎分離症」とか「腰椎すべり症」と診断される事が多々あります。MRIを撮らずともレントゲンだけでもはっきり映るものですので、誰が見てもクッキリと分かりますから、映像を見てしまうと患者さんはかなりのショックを受けてしまいます。少しグロテスクと言ってもいい感じの画像となりますので、仕方のない部分もあると思います。病院からは定期的に通院するように言われてしまいますこれらの症状ですが、一向に良くなる感じもなく月日が流れて行く場合が多いものです。そして、この症例に対し多くの疑問を抱くようになる事が多いものです。

 この症例に対し私どもがはっきりと言い切れるのは、①に、お子さんの腰の痛みはこれらの症例に由来するものでは無い可能性が高いと言う事です。そして、②に映像を見せられるとびっくりさせられると思いますが、基本的に気にしなくともよいと言う事なんです。

 私どもの院でも年間結構な数の「すべり症」「分離症」を扱いますが、基本的に皆さん良くなります。痛みはしっかりと消えますのでスポーツをやるうえで全く問題ない状態となります。勿論身体を動かしても痛くないですよ。背骨が元の状態に戻る事はありませんが、「すべり症」「分離症」が原因で痛みが出る方が実はレアケースなんです。基本的に筋肉性の痛みである場合が圧倒的に多いですから、練習を継続したまま痛みを取る事が可能ですし、意外と早く治ります。皆さん驚かれますね。

 これらの症例について色々なことを言われたりすると思いまますが、確かに背骨が元に戻る事はありませんが、それが原因で腰に痛みが出たり将来に影響すると言ったものでもありませんので、過度の心配は無用と私どもは考えております。ご本人様、親御さん皆さん心配になるのは、もっともと思いますが、基本的に心配ありません。