整形外科的な症例で、一番診断が難しいのは「膝」(膝関節)だと言われる事が良くあります。中には腰の方が難しいと言われる先生もいらっしゃいますが、私も「膝」が最も難しいような感じがしています。「膝」は体重が完全に乗る部位であり、大きく動く関節で、尚かつ繊細な操作も要求される非常に難易度の高い関節です。ここの診断の難易度が一番と推す先生が多いのも頷けます。
「膝」単独で診た場合、「関節」のトラブルと、「関連筋」のトラブルとがあります。前者は一般的に「変形」などと呼ばれるもので普通はレントゲンなどっで確認します。そして、後者は膝界隈に存在します膝を動かすときに使用する筋肉群により痛みを発生するものです。こちらの方はレントゲンやMRIでは確認する事は出来ませんので、指が頼りとなります(触診)。
そして、現代で「膝」の痛みと言いますと大抵は「関連筋」つまり、筋肉のトラブルと言って差し支えない程です。整形外科でレントゲン撮影をし、「変形性膝関節症」と言われた多くの方が、私が診るとどうしても変形と言ったレベルではなく、正常レベルの範囲内である場合が圧倒的です。「筋肉で膝が痛くなるの?」と言われてしまう事が多いのですが、筋肉の付着部が膝関節付近に集中していますので、膝そのものに原因があるように感じるものと思われます。
後、良くあるのが膝の関節面の「骨膜炎」ですね。これは局所的に単発で起きる事が多いかな?これはなかなかに痛いですが、これらに効果的な機器が当院にはありますのでお任せ下さい。
専門家に「膝の変形です。」と言われてしまうと、大抵の方はがっくりしてしまうものです。ただ、現代人の変形は僅か(軽微)な場合が殆どです。私どもの院にはそのように診断された患者さんが多く集いますが、大抵の方は痛みが取れ通常の生活に戻る事が常です。現代の「膝」は決して諦める必要は無いものと思いますよ。