「各論」(症例)は無限

 本日「腰が痛い!」と訴える患者さんがお見えになりました。でも、「腰痛症」は、腰が痛む状態のものは全て「腰痛症」となりますので、本当の症病名を付けるには、ここからは細かく診て行かなくてはなりません。この患者さんの場合「仙腸関節」に強い痛みがありましたので、傷病名を付けるのであれば「仙腸関節炎」と言う事になります。

 この場合「腰痛症」と言う部分が「総論」で、「仙腸関節炎」と言う傷病名が「各論」と言う事になりますが、「総論」は数が限られるのに対し、「各論」は基本的に無限にある事が特徴です。

 学校では「総論」→「各論」の順に学びますが、実践では「各論」ONLYとなってしまう場合が圧倒的に多いですね。上記のように「各論」は無限にありますから、私どもは、ただひたすら出来るだけ多くの症例(各論)を診させて戴く事が、一人前の術者への近道になります。

 今日、取り上げさせて頂いたこの「仙腸関節炎」の患者さん。専門家でもない限り「仙腸関節炎」と言われても「ピン」と来る方は非常に稀なものと思われます。しかも、その深さや位置、左右差、慢性状況など一つの症例だけでも千差万別で、治し方も異なりますから、「各論」は無限と言った言い回しにも合点がいくものと思われます。

 学校では「各論」(症例)ごとの治療法を学びますが、症例は殆どが「イレギュラー対応」となりますので、学校で学んだものが実は全く役に立っていない場合も多いものです。「傷病名」が分かったとしても全く気が抜けません。同じ「傷病名」でも、雲泥の差と言いますか、全くの別物と言った感じのものも多いですから、診断する先生により意見が異なってしまうのも致し方が無い部分があると思われます。

 確かに学校で教わった通りにやって治るなら、才能や努力なんて全く必要ないですからね。誰もが名医になれる事でしょう。勘や閃き、そして応用力がものを言う世界です。経験もある程度は必要ですが、持って生まれたもの(才能)がものを言います。