足の裏の痛みと言うと、一番ポピュラーなものが「足底筋膜炎」と呼ばれるもので、ふくらはぎの「脛骨神経」由来のものとなります。次に多いのが「足底筋膜炎」と非常に良く似た症状の「長母指屈筋炎」と言うものがあります。これは足の親指を曲げる時に使う筋肉の炎症で、本体はふくらはぎの内側にある「魚肉ソーセージ」のような形+大きさの筋肉が原因になります。この二つの症例は一見非常に似ています。病院で「足底筋膜炎と言われました。」と言う患者さんが「長母指屈筋炎」だったことは珍しいものではありません。非常に似てはいますが、治療はかなり異なりますので、適切な処置をしないと良くなりません。そして、今日のテーマである「足根管症候群」なんですが、これもまた症状は、この二つの症例と本当によく似ています。
今日お話しします、この症例の方は年配の男性なんですが「脊柱管狭窄症」の手術を受けた後、急に足の裏が痛くなった、強く痺れることもある。と言った方で、オペをして貰った先生の所に行ったり、他の病院に行ったりと、病院をかなり梯子されたのですが、全く良くならない。かなり困っていたのですが、奥様が、「私が行っていた中山接骨院が良いよ。」と言うので来てみました。と言う事でした。
「脊柱管狭窄症」や「椎間板ヘルニア」の手術をした方の中には「坐骨神経痛」を併発する方が多く、この時、足の裏にまで痛みが出る方も多いものです。これが、「足底筋膜炎」となっているケースは非常に多いもので、最初は私もそう思い込んでいました。でも、何回か施術を行っても一向に変化がなく、もしかして「長母指屈筋炎」?とも思いそちらも確認したのですが、それでもありませんでした。かなり強い痛みや痺れが特徴でしたので、これはもしや「足根管症候群」ではと思い内踝(うちくるぶし)の関節面を、しっかりと施術しました。すると意外と簡単に靭帯が緩み、それに伴い神経が柔らかくなった事で、痛みや痺れもかなり緩和されました、もう少し施術をさせて貰えれば、完治すると思います。
「足底筋膜炎」や「長母指屈筋炎」は何時でも施術しておりますが、「足根管症候群」は久しぶりでしたね、手首や手指の症例で「手根管症候群」は良く診る機会がありますが、足にも「足根管症候群」と言うものがあり、似たように神経が靭帯に締め付けられ、圧迫される事により、痛みや痺れが出る疾病です。このように、「手根管症候群」も「足根管症候群」も関連した靭帯(じんたい)を緩める事が出来れば劇的に症状は良くなるものです。